占星学の最初のレクチャー

リズ・グリーンによる、占星学の手ほどき

翻訳者 大志田寛子

zodiac, by liz greene

あなたはこれまでに、星たちがきらめく夜空を見上げ、不思議なことを感じたり、彼らが形作るものに特別な意味を感じたことはあるでしょうか? 今も昔も、人々は夜空を見上げては、情熱を掻き立てられるようなミステリーがそこにはあるのだと感じてきました。 望遠鏡が発明されるもっと前から、もしくは、星たちが一体何なのかを理解する前から、星たちは何らかの形で人々にとって重要なものなのだろうと考えられてきました。 夜空に浮かぶ、とても美しいけれど何かはわからない星たちが、人々にとって特別なメッセージを持っているものだと感じていたのです。

そして、そのような星への興味が、占星学という、ひとつの科学を誕生させました。 考古学者たちは、ギリシアからバビロン、中国からローマのすべての古代都市遺跡で学問としての占星学の記録を発掘しています。 占星学は世界でもっとも古い科学と言えます。

占星学者は、ほとんどの星が空の周りを同時に動いているのだと考えていました。 しかし、いくつかの輝かしい星は、それらの動きに倣わずに独立した動きをしていることにも気付いてもいたのです。 そこで、そのような独立した動きをする星たちを「wanderers(さまようもの)」と呼びました。 今日では、惑星と呼ばれるものがそれに当たります。 わたしたちの住む地球は惑星であり、太陽の周りを軌道を描いて回っています。 太陽こそが恒星、惑星ではない星ですね。 太陽とその周りを回る惑星たちは太陽系を形成しています。 昔の占星学者はそのうち、五つの「wanderers(さまようもの)」を認識できていました。 これらの惑星は今でも、古代呼ばれていた名前で知られています。 水星(Mercury)、金星(Venus)、火星(Mars)、木星(Jupiter)、土星(Saturn)です。 彼らの名前は神々の名前から付けられています。 古代の占星学者は、惑星たちが本当にその神々であると信じていたのです。 そして、今から200年ほど前から、これらに加えてさらに三つの惑星が発見されました。 現代の天文学者も、それらにやはり古代の神々の名前を与えました。 天王星(Uranus)、海王星(Neptune)、冥王星(Pluto)です。 今後も太陽系で、他の惑星が発見されるだろうと信じている天文学者もいます。

星と惑星以外にも、占星学者は空に浮かぶ月の動きも観察してきました。 今でこそ月のその動きが、独自の軌道を持って太陽の周りを回っているのだとわたしたちは知っています。 東から昇り、西に沈むという太陽の動きについても知っています。 それらをわかっているからこそ、地球が24時間ごとに自転を一回転完了するのだと知っています。 地球の面で、太陽に面しているほうは昼になり、面していないほうは夜になるということも、言うまでもありません。

占星学者は太陽、月、惑星の動きについてわかっていることはすべて文献に記してきました。 今日では、天文学者が彼らに代わり、大きな望遠鏡を用いてこの研究を続けています。 占星学は天文学の母であると言えるでしょう。

現在、わたしたちは天文学と占星学・占星術を別のものとしていますが、天文学者が太陽系の科学的な事実を解明しようと興味惹かれる間に、現代の占星学・占星術に携わるひとたちは惑星の動きと人々の関係について研究を続けています。 古代の占星学者は、惑星は神であり、わたしたちの生を支配しているのだと思っていました。 現代の占星学・占星術を学ぶひとたちはそう信じていません。 ですが、何らかの好奇心を抱かざるを得ない形で、わたしたち個々人と太陽、月、惑星の間に関連があるのだということは信じているのです。

太陽、月、その他の惑星の占星学・占星術における記号
太陽
水星
金星
地球
火星
木星
土星
天王星
海王星
冥王星

Looking at Astrology

この文章は、リズ・グリーンにより書かれた子供向けの占星学の本「Looking at Astrology」の抜粋です。 この本はCoventureより1977年に発行されたました。 子供向けに書かれたものですが、占星学・占星術を学んでみたいと思っているひとにとっては誰でも、興味惹かれる内容になっています。

惑星の現在位置
2023年8月7日, 10:52 世界時
太陽1442' 0"16n25
231'22"12n44
水星1155'20"5n59
金星243'46"r7n04
火星1715'46"5n50
木星1418'30"14n57
土星517'27"r11s12
天王星2252'49"18n11
海王星2719'27"r2s13
冥王星2844'40"r23s04
月の交点2755'19"10n44
カイロン1952' 4"r9n12
記号の説明
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