William and Kate2011年4月29日金曜日、全世界の人々がテレビを通して見守る中、ウィリアム王子が長年の恋人であったキャサリン・ミドルトンと結婚しました。 ロイヤルウェディングは憧れの眼差しで見られることが多いでしょうが、一方で英国のロイヤルファミリーは長期に渡る歴史を紡ぐ組織形態のひとつである、という役割も持っています。 エリザベス2世によるウィンザー朝は不変の永続とアイデンティティを意味する、英国の象徴です。 王子の結婚は、次世代もそのスタイルが変わらずに引き継がれていくということを約束したものでした。 人は、世代ごとに異なる信条や価値観を持ちますが、占星学では世代ごとのテーマを外惑星の星座で読み解いていきます。 それはいわゆる「ジェネレーションギャップ」、つまり好ましいものとしては取り扱われにくいものの説明の役割も果たすでしょう。 リズ・グリーンも、90年代に「Apollon」という雑誌に「ジェネレーションギャップ」についての寄稿を行いました。 ここで我々は、リズ・グリーンがロイヤルファミリーの世代間の違いとお互いの相関性について描写した記事の一部を抜粋して掲載いたします。

ロイヤルファミリー:世代間の戦い

リズ・グリーン

世代間での強力なアスペクトは親と子の間だけではなく、親とその子が結婚する相手との間でも形成されることがあります。 家族の持つ精神的気質において、必要としながらもまだ手にしていないものについては、本能的に結婚を通じて手に入れようとする傾向があります。 それをきっかけにして、世代を超えて隠された神話とコンプレックスが明るみに出て、家族になんらかの動きや作用をもたらすことがあります。 それゆえに、ファミリーチャート(家族のホロスコープ)を見ていくに当たっては、直系だけではなく、配偶者も含めて調べていくことが重要です。 簡潔かつ明確にしていくため、全員の出生チャートを出すことはここでは避け、ロイヤルファミリー数名のチャートの関連性のみを記すこととします。

国王ジョージ6世
冥王星:双子座 11º 34'
海王星:双子座 16º 30'
天王星:蠍座 22º 07'
月:蠍座 24º 51'

エリザベス王太后
冥王星:双子座 17º 21'
海王星:双子座 28º 20'
天王星:射手座 8º 31'
月:蠍座 20º 24'

女王エリザベス2世
冥王星:蟹座 12º 42'
海王星:獅子座 22º 02'
天王星:魚座 27º 21'
土星:蠍座 24º 26'
MC:蠍座 25º 33'

チャールズ皇太子
冥王星:獅子座 16º 33'
海王星:天秤座 14º 07'
天王星:双子座 29º 55'
太陽:蠍座 22º 25'
カイロン:蠍座 28º 13'

ダイアナ妃
冥王星:乙女座 6º 02'
海王星:蠍座 8º 38'
天王星:獅子座 23º 20'
月:水瓶座 25º 02'
金星:牡牛座 24º 23'

ウィリアム王子
冥王星:天秤座 24º 09'
海王星:射手座 25º 32'
天王星:射手座 1º 29'
カイロン:牡牛座 25º 39'
金星:牡牛座 25º 39'
アセンダント:射手座 27º 30'

記されるロイヤルファミリーの出生データ:女王エリザベス2世、 1926年4月21日、午前2時40分、ロンドン生まれ。 国王ジョージ6世(エリザベス2世の父親)、1895年12月14日、午前3時5分、サンドリンガム生まれ。 エリザベス王太后、1900年8月4日、午前11時31分、セント・ポールズ・ウェルデン生まれ。 チャールズ皇太子、1948年11月14日、午後9時14分、ロンドン生まれ。 ダイアナ妃、1961年7月1日、午後7時45分、サンドリンガム生まれ。 ウィリアム王子、1982年6月21日、午後9時3分、ロンドン生まれ。

ここで見逃せないことは、女王と彼女の父親である国王ジョージ6世の間には、外惑星を含むアスペクトができているということです。 ジョージ6世は蠍座で天王星(22º 07')と月(24º 51')のコンジャンクションを持っていますが、これは女王の獅子座にある海王星(22º 02')とスクエアとなっています。 加えて、女王は蠍座に土星(24º 26')とMC(25º 33')を持っていますが、これは父親のジョージ6世の天王星とコンジャンクションしています。 これらのことから、二人のチャートが相関してできる土星-MC-月のコンタクトにより、個人的な問題があるということが推測できます。 女王と父親の間にある感情的なつながりは温かいものではなかったのでしょう。 しかし、愛情と積極的な感情のやりとりに代わって、強い責任感と義務という絆で結ばれた強固な縁というものがあったのだろうと憶測を深めることができます。 Queen of Englandしかし、二人のチャートの間には、外惑星も加わったスクエアがあることも忘れてはいけません。 これを紐解いていくのは簡単なことではなさそうなので、簡潔にまとめてみましょう。 ジョージ6世の天王星とエリザベス女王の海王星は、きっかりとスクエアになっています。 破壊と再生への衝動、人生の脅威に対するサバイバル本能の総動員、困難な戦いの最中における勇気。 蠍座の天王星にはこれらを通しての発展と進化を求める心が宿っています。 もしも戦いというものがどこにも生じていないのだとしても、自身によって火蓋は切られることでしょう。 ジョージ6世の場合は、世界大戦の最中に生きているため、「危機をかいくぐっての進展」という蠍座の天王星の思いは体験を通して満たされていたことと思われます。 そして、その対比として上げられるのが獅子座の海王星でしょう。 獅子座の海王星にとって、彼らの願う「救済という名の夢」は、すべてに光が差す美しく幻想的な世界に生まれ、聖なる犠牲の対象であり、他者にとっての神聖な権威の象徴である、ということを通して表現されるでしょう。 これは平凡な世界からの救出を求めるような、海王星の影響にどっぷりと浸かってしまった心と似通ったものがあります。 女王は彼女と同じ時代に生まれたひとのこういった神話的な想望を共有し体現しているのです。 この美しい願いを簡単に手放そうとはしていないことに、特段驚くまでもないでしょう。

ここで起きているのは、ふたつの世代の衝突です。 ふたつの世界大戦を生き抜き、ひどい現実を突きつけられながらも廃墟となった中から復興への道を辿った世代、かたや困難から逃れ、神々しい権威を持つ王が住んでいるおとぎの国を追い求める世代。 彼らが手を取り合うことはありません。 このような世代間の差を生むスクエアのアスペクトが親子間で起きてしまっても、パーソナルプラネットにより刺激を受けない限りは、個人的に相克することは必ずしも起きはしないでしょうが、ジョージ6世の月は娘であるエリザベス2世の海王星とスクエア、天王星は彼女の土星とコンジャンクションを作り上げ、この衝突たるものの発生を強く示唆しているようであります。 彼女にとって父親であるジョージ6世の姿は、感情的に定まらない人物であり、彼女を落ち込ませることもあったように思えます。 反対に、彼女はといえば、すべての世代にとっての憧れと期待をかけられた存在でありました。 父親にとっては理解できる部分がなかったように見えてきます。 これは蠍座に月を持つ彼女の母親もそうであったようです。 彼女の世代は、自らが特別な精神的役割を担っているという確信を抱いており、名誉と卓越性の規範でいることを大切にしています。 それは、高貴で美しい世界観を抱く一方、日常生活の試練と困難、そして水瓶座から象徴される現在の天王星と海王星の平等主義的傾向からかけ離れていることもあるでしょう。 海王星が獅子座を移動していたとき、世界はきらびやかで華やかなものを切望し、スターのような存在を求め、ハリウッドでは俳優や女優たちが世界へと輝きを放っていました。 ジョージ6世は、娘のことを奇妙なくらいに尊大で現実に足をつけていない存在と思えたのでしょう。 それは彼女自身の性格に何かが欠けていたからではなく、彼女の牡牛座の太陽と山羊座のアセンダントによる、個人に宿る現実主義と粘り強さの中に垣間見える何らかの影響や力強さといったもののせいであったように思えます。

チャールズ皇太子

外惑星を巻き込んだ家族のパターンの中に、何か深淵な知性というものが働いているように見えます。 チャールズ皇太子は蠍座22º 25'に太陽を持って生まれてきましたが、彼の太陽は蠍座28º 13'にいるカイロンとコンジャンクションしています。 彼の太陽と祖母の月の密接なコンジャンクションは、彼らの感情的な距離の近さとつながりを示しており、母親の土星とのコンジャンクションは、母親からの大きすぎるくらいの期待、そして彼の人生を抑え込みながらも形にしていく、ということも示しているように見えます。 しかしチャールズ皇太子は、幼少期にしか知らないであろう祖父であるジョージ6世との間に、太陽と外惑星である天王星が生み出すパワフルなつながりを持っています。 個人としてのチャールズは、ジョージ6世の世代が追い求めた集合体が持つ進歩に対する観点を、目に見えない真実として探求することを体現しています。 ある意味、祖父の世代が行ってきた挑戦の集大成を個人的な形で体現していると言えるでしょう。 ところが、チャールズの蠍座の太陽とカイロンのコンジャンクションは、母親である女王の海王星とスクエアも形成しており、母親の業績を追随しようとする -それは文字通りの意味でも、感情的にも、性的な意味においても、母親の海王星的な夢を脅かすようなものでありますが- そういったチャールズの姿をここに自然に見てとれるでしょう。

Prince Charles 対してチャールズは、母親にどう対処していいのわからないといった、塞ぎ込んだり落ち込んだり、あるいはコントロールされているような感覚に陥っているようにうかがえます。 母親である女王の持つ「理想の姿を曲げてはならない」という信念は、彼にとって心底難しさを覚えるものであり、女王が願う理想のビジョンは、チャールズの知る世界においてはすでに息絶えたものでしかないからです。 女王は壮大かつ高潔な神聖なるビジョンを持つ世代として生まれています。 チャールズもまた、獅子座16º 33'に冥王星を持っており、女王の海王星とはいささか離れてはいるものも、コンジャンクションしていると言っていい位置に配置されています。 チャールズは彼の同世代と同様に、「自分は特別だから」という個人的な感覚に基づく「自分は生き残る人物である」という本能的な概念と、「自分は特別である」という極めて個人的な意見を持つ深い信念の持ち主です。 けれども、彼の冥王星と太陽はネイタルチャートにおいてスクエアを組んでおり、母親のみならず同世代の人々ともこの点においてはうまく噛み合わない部分を持っていることがここから見て取れます。 この点において、彼は本能的に母親の感じているとこを感づいているのでしょう。 しかし、それを「夢みがちな理想」ではなく「必要事項」のように感じている、というわけです。 彼は同世代の人たちよりも、祖父との間に共通点をより見出していることでしょう。

もしかしたら、無意識の領域においては、チャールズは獅子座の海王星の持つ高潔な義務精神には太刀打ちできないと感じたことがあり、彼の冥王星はこれに向かうには仲間が必要だと彼に訴えかけているのかもしれません。 よって彼は、彼の母親の海王星に象徴されるような夢に立ち向かっていける力を授けてくれる惑星のパターンを持つパートナーを選んだのだと思われます(もしくは、そのような人が選ばれたのかもしれません)。 ダイアナ妃の天王星は、獅子座の23º 20'にあり、女王の海王星とコンジャンクションしています。 ここにはお互いの世代の声を代表するような二人の女性の対立が避けられないものとして存在し、両者とも互いに敵と見なす思いがあったように見受けられます。 獅子座の海王星は、思うだけでも胸が熱くなるような、高潔で清い世界を通しての救済活動を夢見ていますが、かたや獅子座の天王星は、自らの創造の可能性の扉を開いていくため、現状を打破するための個々人の持つ力を進化させていく、いわゆる人間としての進化を追っていく性質があるでしょう。 ダイアナは、月を水瓶座25ºに、金星を牡牛座24º 23'に持っていますが、このアスペクトからわかるのは、彼女の世代の特徴である個人意志に基づく理想的観念との衝突です。 チャールズの蠍座の惑星たちと、ダイアナのTスクエアは今にも爆発を起こしそうな組み合わせに見えます。 それらが一緒になって女王の海王星に挑み始めれば、「annus horribilis(脅威の年)」を引き起こすこととなるでしょう。 女王にとって、チャールズとダイアナの結婚は、彼女が最も愛してやまない聖なる救済があるおとぎ話を木っ端微塵に砕く兆候であったのかもしれません。 そして、ダイアナの世代は女王が心に描く救出部隊を壊滅させようとする意図を持ったゲリラ隊であり、王室の聖域ともいえる特権と尊厳の最後の砦を破壊してしまったことに間違いはないように見受けられます。

ウィリアム王子

ウィリアム王子は間違いなく、時代を超えて長い年月をかけて行われている世代進化のプロセスを意味する、この一家の世代間におけるパターンを引き継いでいることでしょう。 ウィリアムの外惑星は、両親のパーソナルプラネットのごく近いところで結びついています。 射手座の25º 32'にある海王星と27º 30'にあるアセンダントのコンジャンクションは、父親であるチャールズの火星と木星のコンジャンクションと、母親であるダイアナのアセンダントとコンジャンクションしているのです。 彼の両親はパーソナルレベルにおいて、射手座の海王星の世代が持っている救済の夢に必要不可欠な「精神的啓発」への憧れと「意味を持つこと」への飽くなき欲望を体現しているように見えます。 「ニューエイジ」世代のチャールズとダイアナの精神は、疑うまでもなく息子であるウィリアムの世代にしっかりと根付いているのでしょう。 しかし、ウィリアムは牡牛座25ºに金星とカイロンのコンジャンクションを持っており、これは彼個人も持つ価値観や自己啓発の一部が傷や痛みを経験していることを示しています。 彼の祖母世代のロマンティック思想、母親世代の持つ一種の危険さもはらむ自己表現意識、さては父親世代の持つサバイバル本能のいずれとも噛み合っていません。 ウィリアムの射手座の海王星と女王の獅子座の海王星はトラインを結んでおり、ここでは両者が火の星座たる「より良く、より壮大で、より気高い世界」への夢を共有しあっていますが、ウィリアムにとってそういった世界は、自らを特別であると承認した上で見つかるものではなく、道徳観念ありきの精神的な旅路でしか見つけられないもののような雰囲気を放っています。

かつて占星術研究家たちは、出生図にある外惑星を「dumb note(言わざるもの)」と呼んでいました。 外惑星たちは「不必要で」あり、個人の人生に特別関わりを持つとは考えていなかったからです。 時代が進み、今では研究が重ねられ、より深い考察が行われるようになりました。 研究家たちは集合体世代の傾向として外惑星を学び、個人の歩む道や人生に沿って発される、外惑星の集合体的な心の声がどれほどまでに強いものであるかを知っています。 出生図で外惑星がパーソナルプラネットと強く結びつきを持っている場合、そのひとは、同世代の他の誰よりも全体の声を感じる代弁者となるでしょう。 Prince Williamこういった代弁者たるひとは、個人の価値観、能力、経験を通して、自我を見失うことなく個人統制と集合体の強大なエネルギーを処理する十分な強さを持ち、その世代の見ているものを形とする知識を持つことが必要となります。 このような屈強な自我を持つことができない子供は、生まれた世代に影響を受けた時代精神(ツァイトガイスト)を映し出した力に太刀打ちできない場合もあるでしょう。 それでも、その力を利用し、素晴らしい創造性を発揮することもありますが、反対に精神疾患を負ってしまうケースもあります。 もちろん、どちらか一方というわけではなく、この両方を経験することもありうるでしょう。 生まれた世代と向き合い、そこに戦いを挑む子供は、自分が属している大きな何ものを屈させようとチャレンジしていくか、または同じくらいにその何かに苦しめられることもありうります。 その結果、深い孤独の感覚につきまとわれるひともいるかもしれません。 また、内的にも外的にも、エネルギーの爆発のようなものを体験したあと、変化の勢いに直面し無気力を味わうひともいることでしょう。 外惑星を巻き込んだ親子関係は、双方の世代の持つ才能と持ちうるものを互いに認識し合い高めあうこと、そして、自発的なものでも、否応がなしにでも、どちらもが必要とする成長する過程に積極的に手を差し伸べて共に体験しあうことによっても、お互いの成長を支え合うことができます。

しかし、悲しいことに、こういった関係を持つ間柄は、お互いの個性が持つ面を非難し合う怒りの衝突となってしまうことがよくあります。 女王が、現在の王室に向けられたダイアナの反骨精神について個人的に責めるのは、大いに不適当だったのだろうと推測されます。 獅子座に天王星を持つ世代であるダイアナは、同世代の人々と同様に、海王星の抱く夢と憧れのファンタジーを簡単には信じない性質の持ち主であり、何より彼女自身が反逆精神時代に生まれた者の代弁者だったのですから。 獅子座的な創造的ビジョンは両者が共通して抱いているものでしょうが、外惑星である天王星と海王星はまったく異なる意味を持ち、それぞれが人生の知性的・感情的な面を反映している惑星です。 海王星が理想と自己犠牲を通して高次元レベルでの統一を模索している一方で、天王星は創造と新しい観念を通しての発展と進歩を求めています。 親子間のチャートでこのような惑星の関係が生じていて、親が子に手を差し伸べてあげたいと望む場合、子供の個性のみではなく、その子供はその世代の代表でもあるのだということを認識することが重要です。 子供が個として表現してくるであろう集合体的なニーズと夢を通し発される行動や認識に対し、脅威として受け取り見て見ぬ振りをするか、適切な手段を見つけるように支え励ますことができるか。 後者の方が賢い対応ができる親だと言えるでしょう。 ジョセフ・P・ケネディの双子座の海王星と冥王星、息子であるジョン・F・ケネディの双子座の太陽のコンジャンクションは、前者の好例と言っていいものです。 ジョン・F・ケネディ(ケネディ家のチャートの分析については「神託と家族の呪縛("The Oracle and the Family Curse")」をお読みください)は父親から、教育・社会的地位階層・政治力を通し、父親の世代が持つ救済と永続いう観念と精神を同じく持っている、ある意味父の生ける生まれ変わりだと信じ込まれていました。 その結果、ジョン・F・ケネディは、父親の世代の持つ野望や野心を除いては、生涯で一度もジョン・F・ケネディという一個人になれるチャンスはありませんでした。

家族間のチャートにある外惑星の繋がりに表された、世代を通じて降臨する世代的なダイモンを大局的に整理しまとめあげていくには、かなりの量調べていくことが必要となるでしょう。 そしてこの話をつなぐものはネイタルチャートだけではありません。 世代を意味する外惑星は、親とその子のネイタルチャートでつながっているだけではなく、個人における外惑星のトランジットがある時、ふたつ以上の外惑星の動きが重なり合う重要な時期にきた時でも動きを見せます。 例えば、チャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚が破綻したとき、冥王星は蠍座をトランジットしていました。 彼らのパーソナルプラネットだけでなく女王の海王星にも刺激を与えていたのです。 女王の世代に属するグループにとっては、これは危機的かつ夢の崩壊の瞬間をもたらす時でした。 命が脅かされるような感情的不誠実さを一気に浄化してしまう蠍座の冥王星の持つ「ゴミを漁る」性質は、獅子座の海王星の持つ「贖罪」というビジョンを持ち生まれた人々が、少なくとも、観点や理想という彼らのビジョンと、実際の人間が持つ性的な部分や感情的な面と正面から向き合うことをさせたのです。

この世に生きる一個人として、わたしたちは誰もこのような全体的な大きい動きをコントロールしたり、せき止めることはできません。 望むとも望まないとも、我々は同じ時代を共に生きているのです。 けれども、共存する方法、「創造的」または「破壊的」かは選ぶことができます。 そこでわたしたちは、外からやってきた悪意に満ちたものに巻き込まれてしまった被害者なのだと感じてしまう恐れもあるでしょう。 でも、そこでわたしたちは世代の夢を糧に自分自身を成長させ豊かにし、神の御加護のようなものから受けた変化が具現化した姿を自分自身の中に確かに見ることもあるかもしれません。 その神の意志のようなものと自らをつなぎ合わせ、人間としてさらに大きくなっていく過程で必要とされるものに前向きに向き合い最善を尽くし、性格や才能を磨き上げる細々したタスクや難しいチャレンジに挑戦することもあるでしょう。 挑戦から何か可能性のあるものを築きあげ、世代のニーズと衝動的な動きの渦を経験した上で、自分の人生を豊かにするため、個人の人格がその大いなるものと融合することに対して、意識を十分に持って立ち向かうことが必要になってくるかもしれません。 そして、子供の世代たちが持っているわたしたちとは異なる夢を尊重してあげるため、十分な知識を与え、悪く作用することがないようにしてあげる必要もあるでしょう。 占星術研究家として、我々の外惑星とクライアントのそれらがハーモニーを作っているとき、そのクライアントとは良い関係性を作れるでしょう。 例えば、獅子座に冥王星がある場合、獅子座の天秤座を持っている若い世代とは、乙女座に冥王星がある世代とよりも良い関係性を築くことができます。 蠍座に冥王星を持っている世代とは、その世代の持つ冥王星のエネルギーに共感することはなかなか難しく、ひょっとしたらかなりの脅威としてエネルギーを体験することもあるかもしれません。 天秤座の海王星は蠍座の海王星よりも射手座の海王星の方が良い関係性を導けるでしょう。 同じように、蠍座の海王星は射手座の海王星よりも山羊座の海王星との方がより良い関係性を作れます。 両親であろうと占星術研究家であろうとも(その両方であろうとも)、ジェネレーションギャップは消えて無くなることはありません。 年齢差があればどうやっても理解できないことが生じるから、というのではなく、大きな世代のサイクルはいかなるときでも様々な異なるビジョンを必要としているせいなのです。 個人的に誰かと他の世代の見つめるものを共有することはないでしょう。 そこでできることは、自分以外の他者もこの大いなる世界の中の不可欠な一部分である、と理解することなのです。

記事をすべて読む

惑星の現在位置
2023年8月7日, 10:52 世界時
太陽1442' 0"16n25
231'22"12n44
水星1155'20"5n59
金星243'46"r7n04
火星1715'46"5n50
木星1418'30"14n57
土星517'27"r11s12
天王星2252'49"18n11
海王星2719'27"r2s13
冥王星2844'40"r23s04
月の交点2755'19"10n44
カイロン1952' 4"r9n12
記号の説明
現在のチャート